介護業界へ40代から転職を検討する人は男性女性を問わず増加している。2020年新型コロナウイルスの影響により、アルバイトやパートが継続困難、派遣社員や契約社員の雇用の打ち切りなどさまざまな形で失業者が増加。
小売り、販売、製造、飲食業と他業種、職種を問わず人員削減や店舗閉鎖、倒産などの動きも出てきている。
クラスター発生とテレビやメディアで報じられた業種や職種には第二波などを懸念して勤めるのを戸惑う声も広がっている。
しかし、そんなことを心配していたら自分の住むエリアでは仕事がなくなってしまう。
どうせなら、未経験で就職しても将来は資格を取る等の安定を狙える仕事は何?
こんな転職活動をしている女性が注目するのが介護業界。
しかし、現場では40代にして介護の仕事から退職を決断する人も多い現実があります。
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この人たちが実際に何に悩みを抱えているのかを知ることも非常に重要。
介護から転職!40代女性の現場の悩み
仕事があるだけ良いのではないか!少子高齢化の影響を受けないような介護の業界をなぜやめてしまうのか?
実態を知らないと、隣の芝が青く見える状態で安定していると思っている人も多い。
しかし、業界の内部にいる人からしたら、このまま人生経験を積み重ねても結果として、介護業界に居続けるのはつらい。
こう感じている人もいるのです。
メリットよりデメリット?
転職の選択肢も少なくなる40代。わかっていても結果的に自分のこれからのことを考えたら今の職場でずっと務めるのはつらいと感じる人たちの悩み。
わかりやすいのは以下の3つ。
- 夜勤、早番、遅番、資格手当、賞与等の給与の問題
- ケアマネ、相談員、施設長などの責任や重圧
- 利用者との距離よりも上層部や組織幹部との人間関係
結果として、いくら勤続年数が1年、2年、3年、5年と積み重なっていても平均給与にも届かない状態で過酷な労働条件の中で働かされているという感覚を持つ人もいるのです。
世の中の響きと現実の差
介護業界は、万年人手不足。業界では、経験、資格の有無を問わず積極的に採用をしているという雰囲気が求人広告などを見ても伝わってくる。
しかし、現実は大きく異なることも多い。積極採用をしているのはあくまで有資格者または経験者。
未経験者であれば、可能な限り早い段階で早番や遅番などが可能な人。
自分の家庭の事情(介護、育児)などの課題を持つ場合は結果として採用を見送られるケースもある。
このように見ていくと、稼げるとかそんな内容もあくまで資格もあってある程度の夜勤を1ヶ月でこなす人に限られる。
このような現実を知って、その難易度や夜勤の勤務時間などを比較してつらいと感じる人も多いのです。
将来への不安
業界として安定している。この言葉の意味と価値が現実とかけ離れていると感じる業種はたくさんあります。
その中に介護も含まれている。
なぜそう言えるのか?実際に2020年から見ると過去数年の間で介護事業のデイサービスや特別養護老人ホームなどの撤退や廃業も多くなっている。
営業や売り上げのノルマがないだけで、結果的には利用者の方と介護診療点数の問題から加算と収入を考えないと利益が確保できない状況になります。
組織として、節約が優先されることが自分の理想とかけ離れた介護を提供していると感じたらその職場の即戦力として今後も努めたいとは思えない状態になっていく。
これは、いくら介護職員処遇改善加算などが広がったとしてもその介護施設や事業所単位で雇用されている従業員の価値観と食い違いが生まれる原因にもつながります。
経営母体もさまざま。
公営、民間企業、社団法人、医療法人などさまざまな経営母体が存在します。単純に介護業界と言っても利益重視の組織の中に入れば、休みが足りず体調を壊すということになってもその人の管理責任という解釈になることも多い。
こうなると、結果的に家族からやめるべきという声が出てくることも珍しい話ではありません。
人間相手の仕事であり、さらに安定していると思われていても内情では人間よりも利益優先という発想を押し付けられた時の自分の理想をどう処理できるのかが求められる仕事でもあります。
介護への転職!40代女性の挑戦
未経験、資格なし、経験なしという状態でも異業種転職をする人はたくさんいます。
40代だから失敗したとか成功をするということではありません。
給与と現実
基本給、各種手当、賞与という3つで構成されているのが会社員の給与。
この基本給があまりにも低いと当然ながら、1ヶ月における総支給額に対しても多くは期待ができない。
1回数千円ずつの夜勤手当と数百円の加算となる遅番や早番の手当。
この金額と夏や冬の季節的な特徴を考慮した時、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修、介護福祉士などの資格を取った場合でも結果的に仕事量と責任と給料という3つを意識すると割に合わないという人も多くなります。
資格試験と日常生活
転職をするまでに経験もないし専門知識もない状態で入社をすると、その後の資格取得に対する勉強時間や方法も苦労が多い。
特に、介護福祉士の資格にたどり着くまでの介護福祉士初任者研修や介護福祉士実務者研修の2つは正直、基本しか知らないとか経験が浅いと判断する資格になりつつある。
業界人となって現場を去った人も多いからこそ、有資格者の転職希望者を募集しているという動きがあるというのは先ほどもご紹介してきました。
結果として、自分が右も左もわからない状態で自分の休みの日などに勉強をすることが苦にならないのか?
子どもがいる、介護が必要な親がいる等の人が実務経験を積み重ねながら、試験勉強が可能なのか?
このような状況を精査した時、高齢者に対するサービス以前に資格を取ることが大変ということで諦める人も多い。
放置に強い人向き
介護職で働く上で、一度は現場に入って資格を取得したが、やめていった人もかなり多い。
こうなると、業界未経験や無資格者の転職希望の人に基本的な知識やスキルを教えるだけの余裕が現場にあるのか?
OJTや研修制度が充実していると面接で説明していても実際には何も教えてもらえないという声も多い。
介護や福祉の業界が全くわからない人にとっては、実務経験以前に業界のサービスの特徴から把握する必要がある。
こんな細かい部分までしっかり新人教育を丁寧に展開している施設はかなり少ない。面接のときの説明と大きく違うという理由ですぐに辞めたいという申し出をする方が多いのも現実。
よって、現場で実務経験を積み重ねる上では、自分で保険や技術、法律などの知識を学ぶだけのモチベーションやプランを立てられる人が生き残れる業界ともいえるのです。
40代女性が介護職転職の見極め方
介護の業界へ転職する時には、その先のキャリアプランなどを含めて自分自身がその施設でずっと勤めるのかどうかも重要になります。
経営母体と組織体制
- もう既に複数の施設を運営しているのかどうか?
- 法人内で転勤はあるのかないのか?
- 求人の待遇や給与は手当などの詳細も比較
- 面接官には、「離職率」と「現在の平均在籍年数」の2つを質問しておく
このようなことを自ら積極的に確認をすることが重要。
この答えに対して、現場の職員が即答できないとか困ってしまうような環境なら、正直その施設では安定しているとは思えない。
他にも職員さんの発言が上からと感じる場合は、その風潮が広がっている可能性も高い。
臭い、現場の声量、口調、歩調などの人の動きを比較する。
具体的な教育方法やカリキュラムなどを明確にしてもらうようにする
産休や育休、介護休暇などの実績と具体的な相談の方法についてピンポイントの質問をする。
これらの確認を面接時に必ず即答してもらえるかどうかを見極めることが重要になります。
成功する人と失敗する人
これからの人生を介護の人材として生きていくことが成功と感じられる人もいる。反対になぜこんな業界に入ってしまったのかと苦悩する人もいます。
この二つの大きな違いは、自分の中での人、モノ、お金のバランスが徐々に崩壊していくことが原因。
人は、人間関係、モノは、自分が身につける制服や履いている靴、扱う物資など、最後のお金は報酬としていただく給与。
この3つのいずれかに不満を感じてしまうと、最終的には低賃金で長時間労働を強いられる仕事としか感じられなくなってしまうことも多くなる。
業界や職種に対して、変に過信をせずに自分自身できちんとひとつ一つの情報を精査しながら転職を検討することが大切になります。
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