介護に転職を希望する未経験や無資格(資格なし)の男性女性も多い。
反対に30代以降、結婚、子育て、親の介護などを理由に40代50代になって離職、転職を相談されるケースも多くなります。
デイ、特別養護老人ホーム、老健など施設を問わず、医療法人、社会法人などの法人も問わない介護業界全体が抱えている人材不足。
現場で聞こえてきた声を他の記事でも書いています。
実際介護から40代で転職を考える方の悩みについてご紹介していきます。
40代男性介護から転職したい理由
業界で勤務してから資格を取得している人も多い介護業界。
もう未経験とは言わないし、仕事にも慣れてきた。
年齢的にもそろそろ転職をするのは限界?なんて不安を抱えている世代でもあります。
それでもやはり今の仕事を辞めて違う業界に行こうとする人もいます。
そこまで辞めたくなる理由はそもそも何か?
実際に現場の職員から聞こえてきた答えをご紹介していきます。
3つの大きな理由
- 職場の雰囲気や職員同士の人間関係
- 年収
- 先の見えない不安
この3つが最大の理由。
どういうことなのかをご紹介していきます。
介護職員が辞める理由の多くは、職員同士の人間関係。何がそこまで嫌なのか?
その背景には、応募した当時と今を比較するとわかりやすい点がいくつもあります。
- 利用者や家族の状況の変化
- 職場内での介護福祉士の人数や割合の問題
- 先輩が次々に辞めていく状況
このようにあっという間に自分の立場が上になってしまう中、現場はめまぐるしく変わっていく。
こんな状態では、当然給与も数ヶ月、数年前から状況も甘味して考えてくれると思ったら全く何も対応がない。
いざ相談をしても「今は難しい」と最初から諦めや妥協の意識を持ってほしいという雰囲気。
これでは先の安心や希望は誰も抱けない。結果として、面接を受ける時に聞こえてきた状況やこの先の将来の活動予定はどこにもない。
結果、上層部の給与の安定だけがあって、現場でキャリアを積み重ねて働くスタッフたちにメリットも恩恵も何もない。
こんな職場があったら、他の企業と何も変わらないと思われてしまうのは仕方がないと言えるのではないでしょうか?
募集の時より悪化
少子高齢化、人員不足という2つがあれば、当然チャンスと考える人は多い。
夜勤で働くことも可能で、もっと働きたいと思う人も数多く存在する。
しかし、企業側は、働く人にスキルは求めるが、給料は今の現状を開示することなく、何も変化をさせない。
これでは、体力が続かないと考える人たちからすれば、自分の身の丈に合う職場を求めるようになっていく。
転職サイトからの情報取得
当たり前のことだが、転職サイトを見れば、資格取得だけでなく、転職お祝い金などを用意しているという施設も多くなりました。
この金額だけで、ボーナスがほとんどもらえないような給料の人は今年のボーナスがないという不安を考える必要がなくなります。
- 職場が今より近くなる。
- 労働時間が短くなる。
- スキルとしても自信がついた。
- 介護関連の仕事をすることは嫌いではない。
このような施設にとっては辞めてほしくないような正社員が簡単にやめたくなる条件が整っているのがポイントになります。
ステップアップとは違う思惑
これから40代50代とまだまだ働き盛りの世代で頑張らなければいけないはずの世代。
育児や親の介護、さらには自分の体の管理に老後の準備も必要なはず。この時期になぜわざわざ転職を考える?
資格を取ることが落ち着いたら、次は条件を模索する。
自分が今の職場で責任者として現場の管理を行うと言われても結局ステップアップと感じない人は多い。
その理由は何か?
- 給料と仕事量のバランス
- 休みなどに不満を感じる。
- 現場の改善を直接上司に相談しても何も変化がない
このような状況では、なぜ?と思ってしまう人が多くなるのも必然と言える。
今までさんざん施設として経営が安定しているとか辞めたいという気持ちを伝えるたびに今の企業の状況を伝えられてきた。
それなのに、結局自分たちから希望を伝えた項目は何一つ改善が見られない。
このような現実に不満を感じるだけで転職をしないでもその場の状況に合わせて生きていこうと考える人ばかりではありません。
ステップアップという言葉は、将来性と達成感が重要。
基本として給料が低いままなのに、リーダーやら基本的に責任を押し付けられれるような立場を与えられるのは職員の本意ではありません。
むしろ、そんなことよりももっと給料や手当の良いよい介護施設を選んで新しい人生をスタートさせるほうが気が楽という考え方が現場の声としては増えてくるのです。
そこまで具体的な考え方がなかった20代30代。
しかし、徐々に具体的な施設の中身や現状を把握できるようになると容認できるようなことばかりではなかったという人も増えてくるのです。
経験年数ばかりが増えていって、立場を与えて、次の挑戦と言いながら休みを減らす。
これでは、自分の生きがいや楽しみを見つけることはやはり難しい。
職員の達成感と将来性
自分の希望する条件の職場を見つけることは正直簡単になっているのが介護業界の現実。
介護福祉士の資格を取得していれば、最初が契約社員なんてことを考える必要もありません。
どんどん自分が違うと思えば次の職場にうつっておくほうが賢いと考える人も多くなってきました。
自分がその会社の発展に貢献したいという意見よりもやはり自分を正しく評価してくれることを願っている。
身体的にも給料的にも休みを取ってリフレッシュできる環境を求めているのが今の介護の人材として働く人の悩みになっているのです。
給料が高くならないのに、評価をしているという言葉だけ伝えている。
これでは、人財ではなく、人を材料としてみている人材になってしまっている。
こんな状況では、結果、自分から履歴書を出すという行動よりもまずはエージェントを使って多数の企業の話を聞くことから始めようと考える人が増えても何も不思議はない。
長く勤める人ほど大事にされない。
これが今の介護業界における退職希望が多い人の心の声になっているのではないでしょうか?
今後の介護の人材確保への課題
2020年新型コロナウイルスの影響により失業する人が増えた。
こういう時期には、無資格や資格なしの人が介護の業界でも給料が安定している仕事をしたいという声が高まる。
まるで豊作の年の始まりのように感じている人事担当者も多いはず。
しかし、近年の転職の動きはそんなに簡単な話ではなくなっているのです。
さまざまな不安と理想
自分がその道のプロになったところで結局将来は見えてきた。
こんな安い低所得の仕事を続けるくらいなら、派遣や契約社員で時給の良い仕事にうつったほうが楽。
このように考える人も多くなっているのです。
実際に老人ホームで1ヶ月働いて夜勤と日勤、早番、遅番などのシフト制の仕事をしても25万円の総支給。
これなら、最初から複数の掛け持ちバイトで時間を調整して働くだけで実際に働く時間は同じでも楽と言える環境はたくさん出てくるのです。
目標よりもまずは目に見える給料。さらには、仕事として流れを覚えるのが簡単ならもっと良い。
このように仕事の探し方も昔とは大きく異なる面があるのです。
OJT?
研修?
こんな言葉を利用している企業は多くても実際に現場に入ってみれば何もしない。
現場でただ上司が偉そうに指示だけ出して自分は何もしないでプライベートな話をしているような現場が介護だけでなくたくさんあります。
こんな一面をもう転職活動をしている多くの人がわかっている。
結局は、働く前に夢も希望も抱けるような職場がないと感じている人が多いのも30代~40代には多くなっているのです。
だからこそ、今の時代のニーズに合う転職希望者への情報開示も大切。
給与の比較ポイント
介護業界の人材確保のために実際に何をするべきなのか?
転職を希望する人の多くが、50代以上の女性になってきているのが現実。
結果として、若い人たちはもう介護の仕事から離れたいとか二度とやりたくないという声が高まっているのが本当に危ない部分だと私は危惧しています。
正社員だから何?契約社員や派遣社員、パート・アルバイトの違いは何?
このように、今の現場では、ほとんどの人が働く時間の中では同列で扱われているケースが多くなっている。
結果、派遣社員で働くほうが給料が良い。
このように考える人が多くなってしまうのも現実なのです。前職が工場などで勤務をしている人にとっては、仕事の時間と体力を考えると給料面としては格段に工場のほうが良いことを知ってしまうだけ。
結局、派遣切りになってしまったとしても最終的に働く時間や期間と稼いだ金額を考えるとかなり収入が下がったという言葉が出てくるような職場では今後の異業種転職希望者も減少していく。
これがこれからの時代のニーズに合わせた現場の考えておくべきポイント。
都道府県別や職種別の平均給与も地域差としてもう既に開示されている。
結果、同じ仕事をしているのに、一部では400万や500万、違うエリアでは、200万から300万というとても信じられないような差が生じているのです。
仕事は同じはず。いずれも同じ資格取得をしているはずの仕事。
それが年収として倍の差がある状況では、正直ケアマネージャーや相談員などの将来の予定を考えるのも厳しくなっていく。
業界全体に対するイメージ
介護報酬が下がっているなら、もうこの業界で働き続けても給料が上がる可能性はほぼない。
こう思われてしまえば、結局はみな介護の仕事を続けようとは思えなくなってしまうのではないでしょうか?
今後の将来性という意味では、介護は安定していると思ってもよく考えたらきついし人間関係は大変というイメージがあれば、結局誰も入ろうと思えなくなっていく。
資格を取ったら今度は勤続年数で立場を押し付けられる。
立場を容認したら責任ばかりを求められていつしか管理という名の多重業務になっていく。
いつしか福祉住環境コーディネーターやら福祉用具の営業や訪問介護との連携などどんどんやるべき仕事が山積している状態になっていった。
こんな状態では、給料が上がっても体力的には限界が近い。
追い込まれて辞めていくしかないという人を増やすような現場があるなら、まずはこうした内容を今いるスタッフでじっくり話し合いながら改善できる点を修正していくことが大切です。
こうした内容を単純にインターネットでこれから介護の業界に入ろうとしている人は見ている。
ただたんに資格があれば生きていけるというだけで人材が流れ込んできた時代とは大きく異なります。
在宅ワーク推奨となってきた2020年以降の働き方。
新型コロナの対策やクラスターが全国で発生している介護、医療業界の現場。
このような場所に身を置くことを選ぶ人がこれから先いくら失業したとしても選ぶかどうか?
こうした不安に対する施設側の明確な答えを用意しておくことも大切。
現場のマネジメント能力
これからの介護現場では、もう介護だけをしていればよいということではなくなってきました。
若い施設長が面接を行い、ただ単に経験や資格だけで判断をすればよいというだけではなくなってきているのです。
マネジメントをきちんと新卒も中途も含めてそれなりのステージごとのステップアップの中身をきちんと明確化することができるような環境を作らなければよい人材もどんどん去っていく。
豊富な社会経験を持つ人が入ってきたら結局は何もできていないという現実をすぐに察知されてキャリアアップにならないと確信する。
こんな状態では安定するのは困難です。
きちんと自分の職場は周りとは違い、ステージに応じたキャリアアップと月給、年収、休みなどを含めた労働環境への道も管理ができている。
ただたんに職場の雰囲気が良いだけで人が集まった時代は終わりました。
今後は、その人それぞれの人生をどれだけ豊かにしてくれるのかを企業に求めている人材にどうこたえられるのか?
これができない会社には人が集まらないという現実をどこかで考えておく必要があります。
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